原発賠償金の確定申告
東京電力から支払われる原発事故被害者への原発賠償金の確定申告における所得税の取扱いは次のように区分されます。
- 非課税となる賠償金
- 収入金額となる賠償金
非課税となる心身の損害、資産の損害に対する賠償金
原発賠償金のうち、以下に掲げる心身に加えられた損害に対して支払われる慰謝料その他の損害賠や不法行為その突発的な事故により資産に加えられた損害に対して支払われる損害賠償金は、確定申告の所得に含みません。
- 避難生活等による精神的損害に対して支払いを受ける賠償金
- 生命、身体的損害に対して支払いを受ける賠償金
- 検査費用 ( 家事用資産に係るものを含む )、放射線被爆の損害に支払いを受ける賠償金
- 避難帰宅費用、一時立入費用など
- また、心身の損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかったことによる給与又は収益の補償として受ける賠償金も非課税となります。
収入金額として課税対象となる賠償金
支払いを受ける賠償金のうち、必要経費を補填するためのものや営業損害のうち減収分,滅失利益に対するもの及び就労不能損害のうち給与等の減収分に対するものは、収入金額として課税の対象になります。
- 次に掲げる必要経費を補填する賠償金
営業損害のうち追加的費用に係るもの
検査費用のうち業務用資産及び棚卸資産に係るもの
ただし、これらの賠償金は収入金額として課税の対象になりますが、追加的費用を必要経費に計上することで実質的な課税は行われません。 - 避難指示等により業務に従事できなかったことや風評被害による減収分、出荷制限指示による棚卸資産の損失に対して支払われる賠償金。この場合東京電力との合意が成立した日の年分の収入金額として申告しますが、継続して補償対象期間に応じてそれぞれの年分の収入金額として申告することができます。
- 就労不能損害のうち、給与等の減収分に対して支払いを受ける賠償金は、雇用主以外の者から支払いを受けるものであるから一時所得の収入金額になります。
転居費用や通勤費増加額に対しての賠償金は、支出した費用の実費弁済の性格を有するため課税の対象になりません。
この場合の賠償金は東京電力との合意等があった年分の一時所得の収入金額として確定申告する必要があります。
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