2重課税の年金の還付
国税庁から先の最高裁判決で所得税課税が取り消された相続等により取得した年金等について具体的な還付対象期間や時期等について文書が公表されました。
平成17年分から平成21年分の所得税の還付
- 相続、贈与等により取得した生命保険契約や損害保険契約等に係る年金を受給している方が今回の取扱いの対象となります。
- 具体的な年金の種類は、次のとおりです。なお、生命保険会社、旧簡易保険、損害保険会社、JA共済、全労済等でこうした年金の取扱いがあります。
・ 年金形式で受給している死亡保険金
・ 学資保険の保険契約者がお亡くなりになったことに伴い受給する養育年金・ 個人年金保険契約に基づく年金 - これらの「保険年金」について、税務上、次のように取扱いを変更することといたします。
(変更前)各年の「保険年金」の所得金額(年金収入額-支払保険料)の全額に所得税を課税。
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(変更後)各年の「保険年金」を所得税の課税部分と非課税部分に振り分け、課税部分の所得金額(課税部分の年金収入額-課税部分の支払保険料)にのみ所得税を課税。
「保険年金」支給の初年は全額非課税で、2年目以降、非課税部分が徐々に減少していく簡易な計算方法により所得税非課税部分を算定していきます(支給開始年から終了年に向けて、非課税部分は、段階的に減少していくことになります。)。
平成16年分以前の「保険年金」に係る所得税の還付
- 対象となった「保険年金」は、老後の生活保障等を目的として、最近5年に限らず販売されており、また、年金払いという商品の性格からは、是正に当たり、ある年の「保険年金」の課税だけでなく、各年の分について連続した是正が必要があります。
このため、所得税の還付請求権等が消滅している平成16年分以前の納税分についても、可能な限り救済措置を採ることといたしました。 - 過去5年を超えて救済する場合、救済期間が長い方が望ましいことは確かですが、現行法での救済は過去5年以内に限定されており、特別な救済措置をあまり長期間にわたって遡らせるがゆえに、証拠書類の保持・不保持といった事情により、かえって納税者の間での不公平が増すようなことも、避けなければなりません。
このため、税務署における確定申告書等の保存期間や民法の債権の消滅時効の期間等を踏まえ、平成12 年分以降平成16 年分以前の「保険年金」に係る所得税について、特別な還付措置を講ずる方向で検討してまいります。
(注)税務署では、平成15 年分以降の所得税確定申告書等が保存されています。
こうした、特別な措置には、法律の手当てが必要です。法律案が国会で成立すれば、その後、一定期間、この特別な還付措置の手続きがとれるようにする方向で検討してまいります(併せて、5年以内の課税分についても、同じ期間、同様の手続きがとれるように手当ていたします。)。 - 今後、特別な還付措置の内容(還付金額の算定方法等)についてさらに検討を加え税制調査会での議論を経て、年末に結論を得る方針です。今後も、検討の進展に応じ、納税者の方々に、措置の方向性をお知らせしていくことといたします。
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