課税と非課税,免税と不課税
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の輸入です。
- 事業者とは、個人事業主と法人をいい、対価を得て資産の譲渡又は役務の提供を繰り返し継続かつ、独立し行う者をいいます。
- 対価を得て行うとは、物品販売等をして反対給付として対価を受取る取引をいい、対価性がない寄付金,補助金,無償の取引は原則として消費税の課税対象になりません。
- 外国貨物の輸入は、保税地域から引き取られる外国貨物が課税対象であり、引き取る者が事業者であるか否かを問いませんので、一般消費者すなわち事業者以外の者でも消費税の納税義務者になります。
課税取引
- 資産の譲渡等とは、事業として有償で行われる資産の譲渡、資産の貸付及び役務の提供をいいます。資産の譲渡には、商品や製品、事業資産、特許権などの譲渡及び現物出資、負担付贈与、代物弁済を含みます。
- 対価を得てとは、資産の譲渡、資産の貸付又は役務の提供に対して反対給付を受けることをいい、したがって営利を目的としない親睦会費、寄付金や無償で行われた資産の譲渡等には、次の場合などを除き原則として、消費税は課税されません。
1.個人事業者が販売する商品等を自家消費した場合。
2.法人が自社商品等をその役員に対して贈与した場合。
原則として通常販売される価額を対価の額として消費税が課税されます。
非課税取引
- 消費税の課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、次に掲げる非課税取引が定められています。
- 土地の譲渡及び貸付
ただし、一月未満の土地の貸付及び駐車場,テニスコート等の施設の利用は消費税の課税取引となります。 - 有価証券の譲渡
国債,株券などの有価証券、抵当証券,金銭債権などの譲渡
ただし株式出資預託の形態によるゴルフ会員権の譲渡は非課税取引に該当しません。 - 支払手段の譲渡
銀行券,政府紙幣,硬貨,小切手,約束手形などの譲渡
ただし、収集品として譲渡する場合は非課税取引ではありません。 - 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
- 郵便局株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体等が行う証紙の譲渡
- 商品券、プリペイドカードなどの物品小切手等の譲渡
- 国地方公共団体等が行う登記、登録、証明等の役務の提供
- 外国為替業務の役務の提供
- 社会保険医療の給付等
ただし、美容整形,差額ベッド料金及び市販薬の購入は非課税となりません。 - 介護保険サービス、社会福祉事業等のサービス
- 助産、火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
- 身体障害者用物品の譲渡及び貸付
- 学校教育法に規定する学校教育の授業料,入学検定料他、教科用図書の譲渡
- 住宅の貸付
ただし、契約において居住の用に供することが明らかなものに限られ、一月未満の貸付は非課税に該当しません。
免税取引,不課税取引
- 消費税が免税となる免税取引
消費税では、消費税が非課税とされる非課税取引とは別に、課税されない免税取引があります。免税取引とは商品製品の輸出、国際輸送等の役務の提供が該当します。
非課税とされる取引は消費税が課税されないため、その仕入については原則として仕入に係る消費税額を控除できません。しかし、免税とされる輸出等取引は、課税資産の譲渡等には該当しますが、一定の要件でその売上について消費税が免除すなわち0パーセントの消費税率により課税されることになります。
したがって、輸出等取引のために行った仕入については、原則として仕入れに係る消費税額を控除することができます。 - 消費税が不課税となる不課税取引
不課税取引とは、国内での事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び輸入取引以外の消費税の課税対象とならない取引をいいます。たとえば、国外取引、対価を得ない単なる贈与、出資に対する配当などが該当します。
課税売上割合=課税売上高÷総売上高
課税売上高=課税取引+免税取引高
総売上高 =課税取引+非課税取引+免税取引高
課税売上割合を計算する際に、非課税取引高は分母にだけ算入しますが、不課税取引高は消費税の適用対象外であるため、分母と分子の両方に算入しません。
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